THE BOOK

人生に影響を与える至高の一冊を紹介

今「美術」が注目される理由

美術は苦手な科目だった...

 

中学時代のクラスの担任が、美術の先生でした。

少しクセのあるB先生の性格も相まって、美術の苦手意識がありました...!

そもそも絵が下手。

クラスでうまい奴の作品を眺めては、「あ〜これは自分には厳しいね!」

と現実を突きつけられた苦い思い出が...

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あれから少しは大人になり(?)ある至高の一冊に出会い、

「美術」ってこんな楽しいんだ!結構大切な科目じゃん!

苦手意識を見事に変えられてしまいました!!

 

今回紹介する本は、こんな人にオススメです!!

・芸術に興味がある人

・学生の頃、美術が苦手だった人

ピカソの作品が、なぜすごいのかわからない人

・読んだ後に、意識に変化が起こる”痛快な”読書体験がしたい方

・子育て中のパパ・ママさん

 

上記に当てはまる人は、必読です!!

 『13歳からのアート思考』

末永幸歩 著 ダイヤモンド社

 

1.著者と本の概要

・著者は、中学・高校の美術教師。アーティスト活動もしており、子供向けアートワークショップ「ひろば100」を企画している。

・題名の”13歳”とは、小学校から中学校へ上がる際、人気が落ちる科目1位が美術であることに由来している。

”美術こそ大人が学び直すべきである”という趣向のもと、20世期を代表する6つのアート作品を紹介しながら、その意図を解説する。

・芸術作品の解説というより、その作品から”何を考えるか”について読者に問いかける”授業スタイル”の本

 

 

2.この本から得られた気づき

読んだ後、美術に対してのイメージを変えられてしまった本書。

しかも、美術という学問を通して、これからの世の中に役立つものの見方を養えます!

 

そこでこの本を通して、得られた気づきを3つ紹介します!!

 

①美術は「雲」 数学は「太陽」

さっきから美術を重要視してますが「美術を学んでも、実際に世の中で役に立つの?」と思ったあなた!

それを明確に回答した例えが本書内に紹介されていました。

 

美術と対極にある「数学」(もちろん数学も重要な学問です)

著者曰く、数学は”太陽”という明確で唯一な答えがある学問である。

反対に美術は、”雲”です。雲は常に形を変え、一定に留まらない存在です。

そして見る人や場所によってゾウやトリになったり。巨人に見えたりします。

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要するに、自分なりの答えを”つくる”能力を鍛えられる学問なのです!

 

「正解を見つける力」を求められた時代から「正解を”つくる”力」が求められる時代へ

美術は、その力を鍛えることができる学問なのです!

 

 

②現代人は「花職人」であふれている?

「花職人」は題名の「アーティスト」の対義語として、本書では表現されています。

しかも花職人とアーティストは一見似て見えますが、全く違ったものと著者は説明しています。

 

本書内の例えを出すと、アートを「タンポポ」に例えています。

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地上に咲く花は、アートで言う「作品」です。

ただ、タンポポには見えない地下の部分があります。具体的に興味や好奇心)と根っこ探究)など、実際は地上には見えない箇所が大きな部分を占めているのです。

 

題名の「アーティスト」とは、この見えない部分を追求した人達のことを言います。

ダ・ヴィンチなんていい例でしょう。彼は興味や好奇心を背景に、人体の解剖や、飛翔原理を追求したり、太陽は動かない事にも気付いていました。

その追求の先に、地上に綺麗な花(モナ・リザなど)が咲いただけなのです。

 

ただ、現代はアーティストの対義語である「花職人」があふれているのです。

花職人も先人が生み出した技術を基に、綺麗な花を地上に作りあげることはできます。

ただ、見えない地下の部分である種(興味や好奇心)や根っこ(探究)が圧倒的に少ないのです。

・ネットニュースやSNSの投稿で世界を知った気分になっていませんか?

・LINEで人と会話した気分になっていませんか?

・高評価のお店でおいしい料理を味わった気分になっていませんか?

これらに該当してしまったあなたは「花職人」なのかもしれません!

 

花職人がアーティストになるには??

実は簡単なんです!!そのヒントが本書では解説してあります!!

 

 

③「カメラ」がアートの歴史を変えた?

 

具体的に芸術作品の話をしましょう。

私達がよく美術館などで目にする所謂、西洋美術作品。

 

以前の記事でも紹介したように、以前の芸術作品は「宗教」や「貴族」の為の作品でした。

彼らの富の象徴を誇示する為に描かれた技術なのです。

 

西洋美術史の記事はこちら

su-books.hatenablog.com

 

ただ、20世紀に入り「カメラ」の出現により、芸術作品アートの意味は無くなってしまいました。写真で撮れば、一発で終わるからです。再現度も高いし、早い!!

 

では、20世紀以降にアートは無くなったのか...?

 

みなさんご存知の通り無くなりませんでした!!

その後もピカソマティスなど有名アーティストは、偉大な作品を作り続けました。

彼らは、今までの常識を疑いながら自分なりのアート(種や根っこの部分)を模索し続けました。

本書では、その代表である6作品を紹介しています。

どの作品も「何を表現したかったんだろ??」考えさせられます。

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でも、このカメラが出現した時代に、今がすごい似ていると感じるのは私だけでしょうか?

 

10年前に、スマホを1人1台持つなんて想像がつきましたか?

きっと数年後には5Gが実用的になって、、、きっと私達が想像する以上のスピードで社会が変わっていく気がします!!

 

だからこそ、”正解を見つける”のでは対応できないのかもしれません!

正解を”自分でつくって”いかないと!!

 

 

3.まとめ

苦手な美術から得られた気づき3つはいかがでしたか??

本書内では、具体的に6つの現代アートがその後の世の中にどんな影響を与えたかが紹介されていて、読んだ後には「ものの見方」を一変する体験ができます!!(ピカソの作品の何がすごいのかもわかりますよ笑)

 

ただ大切なのは、この本を手に取って読んで、あなたが何を感じるかが大切です!

この著者の考えも、一つの考えに過ぎないのかもしれないですから!!

次回の読書のお供にぜひ!!