教養としての西洋美術史
欧米人が身につけている必須の教養として「西洋美術史」があります。
(この考え自体、西洋中心主義のような気がしますが…)
以前の記事で、「日本人は仕事以外の部分の勉強が少なすぎる。世界と戦うには教養力が必要」と紹介しました。↓
西洋美術史というと、難しそう!敷居が高そう!
というイメージがあるかもしれません。
ただ知っておいた方が、人生が豊かになることは間違いないです。
また暗いニュースが多い現在、アートの力は侮ることなかれ!!
見る人の心に直接訴えてくる側面がありますよ!
今回紹介する本は、簡単に西洋美術史の歴史がざっとわかってしまう入門書です!
『教養としてのロンドン・ナショナル・ギャラリー』
木村秦司 著 宝島社新書
■ロンドン・ナショナルギャラリー(以下LNG)の名画を通して西洋美術を知ってしまおうという本(この本を持ってLNGへ行けてしまします!)
■時代ごとにカラーで絵と解説がある。ハンドブックサイズ
■LNGには約2,300点の美術作品があり、西洋美術史の基本的な絵画が全て網羅されている
■イギリスに行かないと見れないLNG所有の絵画が2020年3月から2020年10月まで日本の美術館(東京・大阪)で見ることができます!!(現在コロナウイルスの影響により延期中)
■ゴッホ「ひまわり」も展示予定
⒈ひまわりに見る西洋美術
誰もが一度は教科書などで見たことがあるゴッホ「ひまわり」
そのひまわりには全部で7枚あることを知っていますか??
中でも有名な"15輪のひまわり"は3点!所有先は…
・ナショナルギャラリー(イギリス・ロンドン)←この本で紹介されています
・損保ジャパン日本興亜美術館(日本・東京)←え!?日本に!!!???
そうです!日本もバブル期に損保ジャパンがオークションで落札したそうです。
その金額、当時のレートでなんと58億円!!!
(非現実的すぎて訳がわからない金額…)
常設展示作品なのでいつでも見られるようですよ!!
なぜそんな高価なの??と思ったあなた
ひまわりに見る絵画の魅力を2つ紹介します!
①短い生涯
ゴッホの短い生涯は、彼の作品に魅了される要因の一つかもしれません。
37歳の短い生涯を終えた彼は、画家として活動したのはたった9年!
精神障害を抱えていた?と言われるゴッホは、仕事も人間関係もうまくいかない人生。パリで印象派と日本の浮世絵に影響を受け、自身のユートピア(アトリエ)を南仏のアルルという土地で作ろうと志したのですが…
人望がなく、集まる画家はゴーギャンのみという始末。彼が自身のアトリエに来ることを待ちわびて書いたのが「ひまわり」と言われています。(その後ゴーギャンともうまくいかず喧嘩別れすることに…笑)
②クロムイエロー
これは当時の新作の絵具の色だそうです。暗い人生を送ったゴッホにとって明るい未来を表現する「光」を表現するためにこの色が多く使われました。自身のユートピアを書いた「アルルの黄色い家」でもこの色が使われています。まさにゴッホを象徴する色なのです!
このように、作品には画家の生い立ちや、技法、画家の象徴したいものが色濃く反映するのです。
特に西洋美術は、西洋の歴史や、宗教観が切っても切り離せません。
西洋の画家たちは、当時の権力者によって生かされていた側面があります。
キリスト教を広めたい教会、自分の富を残しておきたい王族や貴族…
彼らから依頼され、お金を稼ぐことを生業にしていたのです!
したがって、聖書での一場面や王様の肖像画など、歴史的な知識がないと理解が難しいのは確かです。
ただその難しい部分をわかりやすく解説したのが、この至高の一冊なんです!!
また、時代事に紹介がありますので、時代ごとに技法や技術が進化していることが目に見えてわかるのもこの本の良いところです!
⒉まとめ
「百聞は一見にしかず」
どれだけ解説しても現物を自分の目で見ることが一番です!!笑
これだけ最新技術が発達した現代で、この書き手の生々しい感性が見て取れる作品を見ることは、あなたの感性が動かされること間違いなしです!
最後に教養を表す言葉を紹介します。
ココ・シャネル(シャネル創業者)
「私のような大学も出ていない歳をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つくらいは覚えることができる。一つの名前を知れば、正解の謎が解けたことになる。だから人生は楽しく、生きることは素晴らしい。」