村上春樹が影響を受けた名作を読む
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こんな時間のある今だからこそ、のんびり読書はいかがですか?
今回は、日本を代表する作家「村上春樹」が
「これまでの人生で巡り合ったもっとも重要な本の一冊」と言わしめた至高の一冊を紹介します!!
美しい文章に引き込まれること間違いなしです!!!
『グレート・ギャツビー』
スコット・フィッツジェラルド 著 村上春樹 訳
”アメリカ文学の至宝”と言われた超有名な一冊。
それを村上春樹自身が、翻訳した至高の一冊です。
⒈ この本の評価
・村上春樹作品で最も有名な「ノルウェイの森」の主人公、ワタナベ君が愛読書と語っている一冊
・村上春樹は「この本に巡り合わなかったら、僕はたぶん違う小説を書いていたかも」と言うほど影響を受けている
・Modern Libraryの発表した「英語で書かれた20世期最高の小説」にて2位の評価
・日本でも村上以外にも多くの日本語訳が出版されている
・2013年レオナルド・ディカプリオ主演で映画化
⒉ 時代背景とこの本の魅力
■時代背景
・本作品内の時代は1920年代のアメリカNY(第一次世界大戦後のアメリカバブル期)
・狂乱期と言われるまさしくバブリーなパーティーに明け暮れた時代
・女性の参政権が認められた時代(本書内では繰り返し女性の強さが写し出されている)
・禁酒法の制定によりマフィアなど裏社会では密輸酒が資金源に。(本書内でギャツビーは密輸酒の仕事をしているのではと疑われる)
・紳士服が定着した時代で、メンズは猛暑でも上着を着ていた。(本書内でも猛暑で汗だくシーンが出てくる)
■あらすじ
・主人公の隣に住む大金持ち「ギャツビー」。毎晩のように自宅の豪邸で狂喜乱舞なパーティーを開く、今風に言うと成金のパリピ(ただギャツビーは紳士であり冷静であった)
・ただ成金「ギャツビー」は第一次世界大戦から帰還した兵士であり、当時は財をなしていなかった。短期で成金になり上がり、毎晩豪華絢爛なパーティーを開くのには、ある女の存在が関係しているのだった…その女によって彼の人生は翻弄されていく様を、主人公が俯瞰的に思い返し語るというストーリー
■魅力
・人間の純粋な面とそれを悪用してしまう人間の冷酷な面。狂喜乱舞と孤独。そして輝かしい時代から暗い時代へ。
この輝かしい時代だからこそ浮かび上がる人間の欲。金、財産、そして愛に翻弄される心理描写を村上春樹の美しい文章で日本語訳した本書
⒊ まとめ
たまには時代を超えて読み継がれる海外の名作を読んでみるというのはいかがでしょうか?
生まれてこの方バブリーを経験した事がない私達世代。あのまさにイケイケのアメリカンドリームの時代に感じた光と闇とは、幸せとは何かを考えさせられる作品です。
この本は、とても読みやすくあっという間に読んでしまいますよ!時代背景の描写や人間の心理の移り変わりの書き方は村上春樹の魅力的な文章力があってこそです!
ちなみに本書で繰り返し出てくるキーワード「オールド・スポート」
ギャツビーが主人公を呼ぶ時に使うこの単語。my friendのような意味合いだが、翻訳する人によって日本語訳が違います。村上訳ではそのまま「オールド・スポート」と訳されています。ここをどう訳すかも村上はとても悩んだと、あとがきにその本意が熱く書かれています。このあたりの本意を考察しながら読み比べするのも面白い本ですよ!!
ぜひ次回の読書のお供に!!